ロウトルロゴ

サンプルシナリオ ARICE1

■各PCの目的(スピシフィク)

赤:赤の女王の情報を探る

黄:ガーデンの組織を把握する

緑:赤の女王を捜す

青:BLUEDOSE をくれた仲間を探す


■シナリオの目的(エピソード)

 赤の女王の身柄を確保する(オープニング・ユニットの最後で与えること)


■Trailer

夕火(あぶりび)の刻、

粘滑(なばらか)なるトーヴ

遥場(はるば)にありて

回儀(まわりふるま)い

錐穿(きりうが)つ。

総て弱ぼらしきはボロゴーヴ、

かくて郷遠(さととお)し

ラースのうずめき叫ばん。

『我が娘達よ、ジャバウォックに用心あれ!

 喰らいつく顎、引き掴む鈎爪!

 ジャブジャブ鳥にも心配るべし、

 そして努燻り狂えるバンダースナッチの傍に

 寄るべからず!』


■PC個別設定

きみの表の顔はワンダーランドにいる普通の学生だが、裏の顔は「始末屋」だ。非合法な武器を仕入れ、組織からの依頼を受けてヒトを殺す。それがきみの仕事だ。ある日きみの元へ1通の手紙が届いた。「ガーデンの赤の女王を始末しろ」ガーデン! さすがのきみも驚いた。なにせ、ガーデンに行った仲間で帰ってきた者はいないのだ。しかも、きみとおなじ「赤」…つまり銃撃戦が得意な人物で「女王」というくらいだからかなり強いはず。なぜそんな依頼が自分宛なのか、そもそも「始末」って「いつものアレ」でいいのかよく判らない。手紙を眺めながらずっと考え込んでいると、「ひょっとして何か失敗をしてしまったせいで、リアルランドのエライ人は自分をガーデンに送ろうとしているのかもしれない」などという不吉な予感がしてきた。急いては事をし損じる。まずはその「赤の女王」とやらの情報を調べた方がよさそうだ。

SP:赤の女王の情報を探る

封鎖されたハイウェイに立ったきみは遠くの明かりに目をこらす。リアルランド……大人達の世界。きみはもうすぐ「向こう」へ渡る。順調に行けば。轟音、閃光。きみはゆっくりと振り返り、口のはしに笑いを浮かべる。コロニー最大のゾク、狂狗(マッドドッグ)。「順調に行けばサラリーマン、順調に行かなければ…?」ハイウェイにきみの影が伸びる。右手にコンバットナイフ、左手はナックル。きみは光に向かって跳躍する。生暖かい血が雨のように振り注ぐ。「お前なんかリアルじゃなくてガーデンにいっちまえ!」狂狗のヘッドが喉から血を吹き出しつつ呪いの言葉を吐いた。ガーデン。それもいいかもしれない。俸給奴隷達の国リアルランドにはこんな楽しみはないのだから。さて、このまま「出頭」してガーデンへ向かおう。夢の国の最強組織は一体どんな奴らの集まりなのか、考えただけでゾクゾクする。

SP:ガーデンの組織を把握する

死神、それがきみのあだ名。別に自分が「死ねばいいのに」と言ったからって死ぬことはないのに、ときみは常々思う。周りの人間は馬鹿だ。きみの言葉に一喜一憂して、最後には自ら命を絶つ。賢い者はきみに近付かない。愚かな者は近付いて死ぬ。でも彼女はちょっと違っていた。彼女は「ガーデン」から学校に通っていると言っていた。 級友達には「大嘘つきのアリス」と呼ばれていた。彼女はきみのたった一人の友達だった。あの日、学校からの帰り道で彼女は「もし私が学校に来られなくなったら、ガーデンまで助けに来てくれる?」と真顔で言った。そしてきみは笑って頷いた。きみの顔を見て、彼女も笑った。いつもの言葉遊び。きみ以外のばかな奴らにとっては「致命的」な言葉遊び。彼女ときみだけにしかできない禁じられた遊び。彼女はきみに一つのカプセルを渡した。「私ここではアリスって呼ばれているけど、ガーデンでは女王なのよ。だからこれは女王様からのプレゼント」「それはそれは、光栄ですこと!」 きみはスカートの裾をちょっともちあげ、うやうやしく礼をしてからそれを受け取った。…それ以来、ワンダーランドで彼女の姿を見ることは無くなった。クラスの奴らは彼女という異分子が居なくなった事が嬉しいのか、彼女の悪口を大声で吹聴する。「悪口を言うような奴は、死ねば、いいのに」きみは手のひらの上で赤いカプセルを転がしながら考える。ヒトを殺すのは簡単だけど、ヒトを助けることは出来るのか。

SP:赤の女王を捜す

いつものゲームにログオンして、仲間と挨拶を交わす。学校にはもう3年行ってない。ウェブの中だけがきみのセカイだ。きみは画面に現れたメッセージを読んで、なんの冗談かと目を疑った。「要更正、ガーデンへ出頭せよ」ウェブ内の都市伝説、「廃人狩り」だ。ガーデン…ネットから隔絶したセカイ。きみはそこのことを考えてぞっとする。だが、ガーデンにはもう一つ伝説がある。今まで誰一人としてガーデンのセキュリティを破った者は居ないのだ。かつてきみと同じようなハッカーが何人もアタックしてはBANされている。彼らがどうなったかはわからない。ガーデンの医療施設で治療中なのだというのがもっぱらの噂だ。きみは一つのファイルを解凍する。昔ガーデンにアタックした仲間から貰ったソフトウェア「BLUEDOSE」赤/黄/緑/青…そして医療棟の「白」。目の前の画面にガーデンのマップとタイムテーブルが展開される。誰一人としてガーデンのセキュリティを破った者はいない「らしい」が、BLUEDOSEを作った“Xeno”ならば「やろうと思えばできた」はずだ。彼もしくは彼女はそれを「やらなかった」だけなのだ。ガーデンでBLUEDOSEをくれた仲間に出逢ったら、“Xeno”が一体何者なのか聞いてみよう。セキュリティ破りはそれからでも遅くないし、祭りは仲間が多いほうが楽しい。きみはモバイルとチップにそのデータをダウンロードして1ヶ月ぶりに外に出た。

SP:BLUEDOSEをくれた仲間を探す